隙間から扇広げる溶鉱炉
  天いっぱいに光の柱



親と子の昔乍らの苦悶有
  彼の失意に慰めもなくて



延びてゆく日照時間と上がる気温
  影は益々濃くなりにけり



静かなる闇に沈みて休みたい
  光の無い場所に行きたい



朝靄の白に(けぶ )れる河川敷
  霞がかったジョギング走者
    白から出でて白に消え行く
      ブレスと足音だけを残して



東雨に垂るる柳の根の下の
  廃都腐らす濁った流れ



古の根っこ絡まる石柱に
  頬押し当てて滲み出す光



波なくて停滞続く浅瀬にて
  汐を沸かして深海魚を喰う



闇の中滴り落ちる沈黙に
  息を凝らして凝っと見入れり
    破局はまだか
    破局はまだか



年旧りた街道に破裂する光
  思念集積体の最後の足掻き



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