手を伸ばす指間を零る光の塵
  大気に解け行く淡い憂鬱



制服の裾翻し逃げるよに
  本屋出て行くひとりの生徒



漆黒の空が恋しい超深夜
  行軍しつつ両手を伸ばす



下り見る橄欖石の橋の下
  瑪瑙の石が水をはじくよ



せせらぎに耳を澄ませて碧緑の
  深みに見入るひとつになるまで

 静かだ 何の音もしない



亀裂の入る巨大な空を
  背景にして繁栄を
    証明すべく聳え立つ
      灰色をした石ころの塔



瀬を踏みて岩魚蹴散らす木の影の下
  食べることなど拒否するごとくに



木の板で出来た通路に人のゴミ
  カッコ付きなる「自然」の山にて



急燥に闘い挑む言論で
  無力知りつつ他に手は無し



アヴァラスト黒い尖塔細い路
  黄色いにじみじわりと広がる



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