快楽に酔へる振りして溜息ひとつ
  空ろな瞳は遠くを見た儘



彷徨へる巨蕩の原の直中に
  小舟にひとつ絶望乗せて



大理石のブロックキューブ叩き壊し
  中に隠さる××××を取る



鳴り止まぬ赤きシグナル遠く聞き
  爪に食込む肉片の羽根



流さるる稲穂眺むる大水の
  泥に沈んだ赤子の(くる )



護送車の頭剃らるる不具者共
  教育の糧何を育つや



キリキリエ・スットントンと機を織る
  糸巻き車が時間を紡ぐ



雨近く垂れ込む雲の空の下
  疼く頭を無視する努力



強風に撒き散らさるる行進曲
  無力な奏者の無表情な顔



重力と戯る雀に見蕩れ入る
  何と云う効率!
  何と云うバランス!
  何と云うデザイン!



inserted by FC2 system