樹冠飛び交う奇声聞く
  恐怖と悲鳴八釜しく
    水に鎮めてやりたく思う



川底に囁く蟹
  息を潜めて気配を殺し
    甲羅も守りにならぬを知れば



氷が溶ける
  雪崩が起きる
    大崩落する
      氷が現わる



引き裂ける海の深さよマグマ噴く
  大陸棚を押し上げる空



急な闇輝き光る金環の
  威嚇に怯え罰には思わず



挟まれた光輝痛まし目を瞑り
  そっと背を向け瞑黙の (てい )



東の空に星二つ
  暮るる薄日を透かし見て
    チンケな夜空予感しつつも



思はるる低き軌跡の蝙蝠を
  捉へたまうな街灯の灯



擦れ違う列車の狭間に迷い居て
  西も東も判らなくなる



風が吹きビルの谷間で葉を揺らす
  先考えぬ拡張計画



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