憤怒もて叩き付けたるその言論
  塞がれた耳に暗愚居座る



緑萌ゆ手招きする様な塀の蔦
  生きている様でも疾うに亡霊



軋む線路油飛び散るレールの先
  荷重偏頗の儘全速力



小雨来て玉転がして後を追う
  青い太陽を絡め取って



柳垂 (やなだ )れる通り黄色に染め抜いて
  チカチカ光る目の奥に炎



振り向いて頭上後方45°
  視線の残像尚も留まる



膿み爛れ剥がるる豚の瘡蓋に
  妖力込もる人外の気配



濃紺の胸たばかりてどす黒く
  渦を巻かせてひと息に喰う



力込め悲鳴を上げる星列車
  ぽきりと折って天の川に流す



広がるる血溜りに冴え指を抜く
  醒めた命運扱うごとくに



inserted by FC2 system