泣き崩る固き乙女の肩抱かず
  冷ややかに見る苦き諦め



近接する恐怖に時空のひずみ出来
  徐々に広がる渦を巻いて



雲霞み眩暈聳え我招く
  引っ繰り返る重力と質量



身を低め耳を突き刺す烈風に
  頬を固くし瞳を凝らして



陽光に照りさんざめく南海の
  泥に濁れる死骸の溜まり場



朝起きて寝呆け眼を擦りつつ
  鏡を覗いて嘲笑の練習



いぎたなくふんぞり返る食屍鬼の
  指をへし折り腹を踏み付く



破滅の予感待ち受けし
  深く静かに潜行す
    開放までは後数秒
      戦慄に乗せ唸り震える



飽く枯るる昏い力の噴出を
  薄明の中微睡みに待つ



目を開きしかと見据える己が手を
  何を掴まんその拳もて



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