昼前に湿気た煎餅齧りつつ
  惰眠貪るいやと云うほど



退屈に両手を上げて進み出る
  これでもダメかもうウンザリだ



荒れ狂う風が連れてく遠き日の
  遠き風景ここにはおられぬ



己が身を騙し騙され一人旅
  憑かれた如く足を速める



紅の落ち葉舞い散る並木道
  無惨に踏まるる落ちた後の葉



低く飛ぶ太ったカラス舞い降りて
  王侯然とのし歩く也



日差し降る階段の上眠り込む
  俗事忘れて
    愚劣忘れて



赤き潮マリネリスに掘る大巨溝
  押し流さるる長き死の記憶



隠れ谷日陰に埋まる大巨砲
  狙いも定めず大暴発す



濡れ光る紅に染む曲がり角
  散文的なる一万の死



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