這い澱む恐怖の残り香地を覆い
  冥王星の絶滅の後



竜巻の如くにうねる飛行機雲
  蚯蚓と成りてぶっつり切れる



燃え上がる赤きオーロラ身に浴びて
  漆黒の孤空に焦点を合わせる



クリーム色少し混じった白い肌
  漆塗るなり林檎の頬に



苔むせる(いわ )を白滝円らかに
  削りて削ぎ取る
    段々と
      段々と



贖える金の貨幣のコップに満つ
  あなたの罪は何処に溢るる



新緑の香に誘はれて彷徨へる
  春一番よ天まで連れ去れ



暖かきベンチに寝そべり腹の上
  猫が上りて大欠伸する



のどけらく雲流れ行く薄陽受け
  フラッシュ焚いた眩暈に沈む



風誘う木立が招く波が呼ぶ
  外へ開けと歌を歌はる



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