濡れそぼる芯に炎を点したく
  マッチ擦る擦る湿気たマッチを



クリックし千頁分の一頁
  じりじり読みつ頬杖を突く



倦怠と物憂い午後のひとときを
  共にお茶飲みパンを頬張る



赤と白並んで光る(けだもの )
  後ろ蹴飛ばしひっくり返す



氷雨雪枯れたシベリア雪原に
  切々と降る詫びるごとくに



車輪にて積んだ巨石の大墳墓
  だからどうした往古のことさ



石室の奥に無言でわだかまる
  気配あれども気配のみなり



煤煙の空に覆わるニューメキシコ
  長蛇の列は何を待つらん



アクセルを踏みて畑の中を行く
  嘔吐するほどの緑の地平



静かなる水面に映ゆる逆さ影
  語り掛くるはあの(ひと )の口



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