深山の白き泡散る深い(あお )
  絶えてなかしり聞く人の声



千切れたる耳たぶ咥え行く犬の
  後を追いつつ囃す子供等



圧倒的な白い宇宙を
  倒れ拝みて目が(くら )
    涙流して(まなこ )を抉る



ヘリ炎上黒煙吹いて繁華街
  上がる悲鳴にエールを送る



空切って超ゆる燕を見上げつつ
  鉛の足を引きつつ歩む



放散す霊気の色が変わり行く
  内爆発へのカウントダウン



遠雷や氷雨に濡れてかじかむ手
  震え戦慄 (わなな )き引き金を引く



焦点を結べぬ夏の崖の上
  焦り進めず海を見下ろす



天目掛け駆け上がる
  (みどり )の炎立ち並び
    風に舞い揺れ声無き詠唱



さんざめく波間に沈む大理石
  何を象る古の意図



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